凍み大根と人生のあいだ

「謹賀」まで一息に書いて、「新」の字の出だしで筆がとまった。ぱさぱさになった毛先に墨を足そうともせず、何度も同じ線をなぞりながら、次の展開を決めかねている。

迷いというべきか、ためらいというべきか、書を前にして、胸に引っかかる思いはごまかせない。それまでの二文字にあった自信がぷっつり途切れて萎縮した気持ちが、線ともいえぬ墨の溜まり場にあらわれている。 つづきを読む “凍み大根と人生のあいだ”