雪、白い宇宙の静けさ

日常生活におけるどんな音も、耐えられない沈黙の重さから私たちを解放してくれるという意味では役に立つ。とりあえずテレビをつける。ラジオを鳴らす。CDをかける。

音が沈黙を食べてくれてひと安心かもしれないが、麻痺をうながす豊かさにおぼれかけた状態でもある。逆の価値観に触れてみてもいい時期だ。 つづきを読む “雪、白い宇宙の静けさ”

『雪わたり』の教え

雪がすっかり凍って大理石よりも堅くなり、空も冷たいなめらかな青い石の板でできているらしいのです。
「堅かた雪ゆきかんこ、しみ雪しんこ。」
・・・(中略)・・・
こんな面白い日が、またとあるでしょうか。いつもは歩けない黍の畑の中でも、すすきで一杯だった野原の上でも、すきな方へどこ迄でも行けるのです。
(宮沢賢治『雪わたり』本文より)

宮沢賢治は作家ではなく教師として生計を立てていたが、その短い生涯を通して、ただ一度だけ原稿料をもらったことがある。それがこの『雪わたり』だといわれている。 つづきを読む “『雪わたり』の教え”

「アナと雪の女王」を観たら西和賀へ

雲間から差しこむ太陽のまぶしさに目をすがめる。あたたかくて気持ちがいい春の日差し。これなら雪も一気に解けるだろう。

そう思った次の瞬間には、嘘みたいな大粒の雪が風に乗って頬を打ち、体温を一気に奪っていく。凍える寒さに身を震わす。いったいどっちなんだい。たまらず天を仰いだ。冬のいちばん大変な時期に逆戻りしたかのようだ。 つづきを読む “「アナと雪の女王」を観たら西和賀へ”